2013年6月29日土曜日

アンチェロッティの入団会見を聞いて。

アンチェロッティは就任会見で、「スペクタクル」という言葉を使いました。
「世界で最も権威あるクラブはスペクタクルなフットボールで勝たなければならない」と、彼はこう言いました。
これは逃げ場のない言葉です。

モウリーニョは就任時「攻撃的なサッカー」をする、と言っていて、実際はみなさんご覧のとおりだったわけですが、モウリーニョのマドリーにとって、「攻撃的」は100得点を超えるチームとしては、全く当たらない言葉ではありません。
しかし、スペクタクルはより主観的な言葉です。

第一次銀河系を作り上げたフロレンティーノとしては、モウ・マドリーに欠けていた、プレーの華やかさ、美しさをチームに要求し、アンチェロッティがそれを飲んだ形ですが、これはクラブ内のパワーバランスの変化でもあります。
いや、元に戻ったほうが正しいと言っていいかもしれません。
フロレンティーノ政権下では、監督はいくぶん中間管理職的で、モウリーニョが例外だったのです。

第一次政権のような感じではないですが、未だにフロレンティーノは補強に関しては強い意見を持っていることは、ギャレス・ベイルの獲得話を見れば明らかです。
モウリーニョの時は彼の意見を取り入れることに徹していたぶん、反動としていくつかフロント主導の補強が増えるかもしれません。
モウリーニョのように監督1人が補強の絶対的権力を持つというのもそれはそれで不健康な気もするし、プレミアなんかでは某チームなどそれで失敗しているように映る例などもあります。
補強は戦力面だけでなくクラブの運営戦略も左右する問題なので、フロントにも決定権が戻ったのは、それ自体は悪いことではありません。
ですが、アンチェロッティはフロント主導の補強に慣れ、与えられた戦力で最大限の力を引き出すことに長けているぶん、補強の決定権においてフロントの意見が強くなりすぎることを、今は少し私は危惧しています。

私は、マドリーがモウリーニョ時代を終え、新たな時代を築くにあたって、フロントと現場の意見をミックスするにあたり、、ちょうどいいバランス、ポイントを見つけることを、今は願っています。

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